ケィオスの時系列解析メモランダム

時系列解析,生体情報学,数学・物理などの解説です.

確率過程

【Rで時系列解析】パワースペクトルの平均化処理

パワースペクトルを推定する数値実験を,少しずつやっていきたいと思います. 平均化処理ってやったほうがいいかも,というのが今回の感想です. Rでパワースペクトルを推定するとき,"spectrum"というコマンドを使えばいいんでしょ,と考えている人も多いと…

【確率過程・時系列解析】2次自己回帰過程の自己共分散 (自己相関)関数

2次自己回帰過程の自己共分散 (自己相関)関数を一つの式で表しておきます.差分方程式の形での表現は,この前のセミナーで学生が導いてくれたし,インターネットで検索すればいくらでも出てくると思います. 2次自己回帰過程の自己共分散とパラメタの関係 2…

【確率過程・時系列解析】1次自己回帰過程のパワースペクトルから自己共分散(自己相関)を求める

理由は良く知りませんが,自己共分散(自己相関)関数を使ってパワースペクトルを定義する流儀が存在します.そんな流儀,知ったことではないので,ここでは,1次自己回帰過程のパワースペクトルから,自己共分散(自己相関)を求めてみます.今回は,ここま…

【確率過程・時系列解析】自己回帰過程のパワースペクトルと自己共分散(自己相関)の関係(複素積分表示)

今回は,自己回帰過程について,パワースペクトルの複素積分で,対応する自己共分散(自己相関)を表します.これは,「次自己回帰過程のパワースペクトルは,1次自己回帰過程と2次自己回帰過程のパワースペクトルの和になっている」あるいは,「次自己回帰…

【確率過程・時系列解析】自己共分散(自己相関)とパワースペクトルの関係

自己共分散(自己相関)とパワースペクトルの関係についての話です.何言っているかわからない人は,下にまとめた関連記事を先に見てみてください.ちょっと前に,パワースペクトルは,自己共分散(自己相関)のフーリエ変換だ,という話をしました.という…

【時系列解析】なぜ,自己共分散(自己相関)が急激に減衰しないとパワースペクトルは定義できないのか?

北川 源四郎先生の本「Rによる 時系列モデリング入門」(33 ページ)では, 「ラグが大きくなるとき自己共分散関数が急激に減衰し」という条件が,パワースペクトル の定義を与える部分に書いてあります (以下では,をと書きます).何で? この条件「自己共分…

【時系列解析】長期記憶,長時間相関,フラクタル

時系列の長期記憶 (long memory),長時間相関 (long-range correlation),フラクタル性 (fractality)について整理しておきます. 長期記憶過程 (long memory process) 長期記憶過程は自己共分散関数が, となる確率過程です.何で全部足すの?という疑問がわ…

【確率過程・時系列解析】自己回帰過程の特性方程式の根 (数値解)

前回は,自己回帰過程の特性方程式の話をしました. chaos-kiyono.hatenablog.com つまり,次自己回帰過程 について,特性方程式 の解 (根)の絶対値がすべて1より大きければ,自己回帰過程は発散しない. ということを説明しました.今回は,Rをつかって実際…

【確率過程・時系列解析】自己回帰過程の特性方程式の解と定常性

今回は,自己回帰過程の特性方程式の解と定常性の話です.特性方程式の解が,単位円の内側とか外側とかいう話の説明をします.次自己回帰過程 (以下のは,平均0,分散の白色ノイズです) をラグオペレータを使って書けば, と書けます.これは,以前にパワー…