時系列を表すときに,とか,
とか,
とか,
]とか,いろいろな書き方があります.今回は,この書き方の慣例について説明します.絶対のルールがあるわけではありません.
連続時間は
,整数の離散時間は下付
か ![x[n]](https://chart.apis.google.com/chart?cht=tx&chl=%20x%5Bn%5D)
まずは,連続時間と離散時間の使い分けです.時系列(あるいは確率変数)は,時間順序をあわらす,とか,
とかで,時刻が指定されます.
高校の教科書では,
が実数(連続時間)をとるとき,
が整数をとるとき,
になっています.高校で登場する漸化式(差分方程式)では,のように下付になっています.大学の先生はそんなルールを気にしないので,大学によっては漸化式を扱った入試問題で
となっていることもあります.
高校を卒業すると,下付き,上付きの文字飾りをたくさん使うようになったり,下付文字だとそこに複雑な式を書きにくいので,時系列解析の分野では,
が整数をとるとき,
とします.
ですので,私の記事では,時間が整数で指定される場合に,か,
と書くことにしています.
時間が離散でもサンプリング間隔がの場合は,背後に連続時間があることを意識して,
とします.
中括弧は集合を表す.
中括弧で囲んで,にするのは,たくさんの点の集合である気持ちを表しています.確率を表すときに,
としたりするのも,確率は事象の集合に対して決まるので,集合の場合は中括弧を付けます.
確率変数と実現値
確率変数を大文字,その確率変数の実現値を小文字で表すルールがよく使われます.特に数学の場合はそのようにすることが普通だと思います.しかし,物理や工学では,大文字と小文字の使い分けはしないこともあります.
例えば,のフーリエ変換を
で表すと,確率変数を大文字で表せなくなるので,時系列解析では,確率変数でも小文字のままにすることが多いです.
整数は,i, j, k
で和をとるときに,
,
,
を使うことが多いです.これは,FORTRANというプログラム言語で,iからが整数型になっていたからではないかと私は思いますが,本当のことは分かりません.整数時間を表す変数についても,i, j, k, nあたりが,しっくりきます.