最近,一番気に入っているアニメは「異世界おじさん」です.ということで,今回は,非整数ブラウン運動を表す数式
の意味を理解するために,この積分を離散化して計算してみます.この積分がオリジナルの論文
Mandelbrot, Benoit B., and John W. Van Ness. "Fractional Brownian motions, fractional noises and applications." SIAM review 10.4 (1968): 422-437
の表現と違う,とか文句言われても気にしません.

離散化
積分を部分求積法のように,時間幅で分けたパーツの和で近似すると,
のような感じだと思います.無限の過去まで数値的に扱うことはできないので,はある程度大きな自然数にとることにします.
ということで,をできるだけ大きくとることにして,
を計算してみます.
ブラウン運動の増分
式の中に登場するは,ブラウン運動の増分です.時間幅が
のとき,ブラウン運動の増分
は,平均0,標準偏差
の正規分布に従う白色ノイズです.
ですので,平均0,標準偏差1の標準正規乱数を使って,
としました.上の図の上段右は,このサンプルです.その左は,その累積です.
この増分に,上の図の中段左の重みをかけたのが,中段右の図です.図の下段左のは,これを全部足して計算しました.
ハースト指数
の推定
生成した時系列を検証するために,DMAでスケーリング指数を推定しました.今回は,時系列を積分せずにDMAを使ったので,傾きがの推定値です.DMAの説明は過去の記事を参考にしてください.
上の図の下段右にある赤丸のプロットの傾きが,設定したと一致すればめでたしめでたしということです.
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