最近,高校の数学で出てくる漸化式
や,
の解き方を教える機会がありました.私にとってはかなり昔の記憶ですが,高校の数学では,公式的なパターンに変形したり,行列の形にして対角化するとかありました.ラグオペレータでも解けるので,今回はラグオペレータで解いてみます.
ラグオペレータの基本
ラグオペレータをとします.
を左からかけると,時間が1だけ戻ります.つまり,
となります.さらに,
となります.
3項間漸化式の例題
高校数学で登場するような問題を考えます.例題として,
で,となる
を求めてみます.
を2減らして,
としてから,ラグオペレータを使えば,
です.さらに,変形すると,
となります.左辺が0になるとすれば,
であれば良いことが分かります.ラグオペレータを使わないで表すと,この式は,
ってことです.ここから,
と求まります.「解が2つ!」とびっくりしないでください.まだ,解ではありません.線形性から (過去の記事参照),一般解は,2つの解の線形結合になります.つまり,と
を定数として,一般解は
の形になります.
初期条件 を満たすように,
を求めると,
となります.ということで,解は,
です.
連立漸化式の例題
例題として,
で,となる
を求めてみます.
を1減らしてから,ラグオペレータを使えば,
となります.連立方程式を解いて,を消すと,
となります.左辺が0になるとすれば,
であれば良いことが分かります.ラグオペレータを使わないで表すと,この式は,
ってことです.ここから,
と求まります.と
を定数として,一般解は
の形になります.
初期条件 を満たすように,
を求めると,
となります.ということで,は,
です.は,
まとめ
ラグオペレータを使って高校数学の漸化式の問題を解いてみました.計算は自信がないので,間違いを見つけたら教えてください.