前の記事(以下のリンク)に続き,デルタ関数,あるいは,単位インパルス関数と呼ばれるを使った線形システムのインパルス応答を考えてみます.
chaos-kiyono.hatenablog.com
今回は,を,以下で定義する
について
としたもので定義します.

簡単な線形システム例として,以下の微分方程式の初期値問題を考えます.
前の記事との違いは, ではなく,
を入力にしているところです.
グラフを見てみる
解をグラフにしたものが下の図です.

上の図から分かるように,から,入力
が与えられ,その応答
(青実線)が生じています.
を0に近づけて極限をとれば,それが
の応答になると考えられます.
解の正しさを検証
いくつかの方法で,解の正しさを確かめてみます.
まとめ
今回は,を考えることで,インパルスとしてぎゅーっと縮めたときの振舞を見てみました.
今回は,での計算のすっきり感から,
としましたが,
としても,問題はないと私は思います.これは,下の図のようになります.

この場合,で右側微分係数が定義できないのでダメなのか,と悩むかもしれませんが,
での左側微分係数を考えれば,何の矛盾もないように感じます.つまり,この場合,
,さらには,
なので,左側微分係と考えれば,微分方程式を満たしています.私としては,このように,
に,
の面積を置きたいというのが,正直な気持ちです.
いずれにせよ,私には数学的な正しさが判断できませんので,各自で判断するか,数学に詳しい人に聞いてください.