ケィオスの時系列解析メモランダム

時系列解析,生体情報学,数学・物理などの解説です.

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【Rで呼吸代謝分析】ミナト医科学AE-100iデータの読み込み

今回は,ミナト医科学のAE-100iで計測されたデータファイルの読み込みについてです.医療関係者と研究者しか使わない計測器だと思いますが,この計測器を使わない人はデータファイルを読むときの参考にしてください. 計測開始時刻を抽出 AE-100iで計測され…

【フーリエ変換】フーリエ級数からフーリエ変換へ

今回はフーリエ変換の話です.ここでは横軸をではなく,にします.理由は,時間とともに変化する信号を考えたいからです. 複素フーリエ級数 フーリエ変換 複素フーリエ級数 周期の周期関数 のフーリエ級数展開は, です.ここで,係数のは, で与えられます…

【フーリエ級数】周期関数をsinとcosの和で表す

我が家にも,ついに5G (第5世代移動通信システム)の波が来ました.我が家は「おうちWi-Fi SoftBank Air」を使っています.今週,この端末のランプが「5G」の受信を教えてくれました.ということで,原稿を依頼されている「フーリエ解析」の図の準備をかねて…

【受動歩行の物理】リムレスホイール

Rでリムレスホイールの動画を作ったので載せておきます.これは,解析解をグラフィックとして描いただけで,数値解は計算していません. 受動歩行を知るためにMcGeerが登場するYoutubeの動画を見てみてください. www.youtube.com リムレスホイールは,McGee…

【受動歩行の物理の基礎】角運動量の保存

受動歩行を単純化したモデルとしてリムレスホイールがあります. 受動歩行のモデルであるリムレスホイール今回は,リムレスホイールの運動を理解するために,ポイントとなる角運動量について解説します. ポイントは,以下の3つです. 角運動量ベクトルの大…

【Rで確率モデル】疑似乱数の生成

昨日,名古屋に出張しました.新幹線は,コロナ前と比べればまだ空いていますが,海外の旅行者も戻ってきて,席が埋まってきたように感じます.ということで,今回は,Rで乱数を生成するコマンドの整理です.疑似乱数を使って下の図のような,中心極限定理の…

【Rで確率モデル】確率密度関数と確率分布関数

世の中には正規分布とか,指数分布とか,ワイブル分布とかいろいろな分布に従う現象があります.確率的な現象が従う分布の関数形を特定すると,背後にある生成メカニズムを考えるヒントになるので,分布のことを理解しておくと役に立ちます.今回は,Rで確率…

【Rで加速度解析】ATR-Promotionsの小型無線多機能センサ TSND151データの読み込み

今回はATR-Promotionsが販売している小型無線多機能センサTSND151 小型無線多機能センサ「TSND121/151」 |ATR-Promotions のデータファイルを,Rで読み込むときのお話です.ポイントは,計測時刻をどうやってRの時刻変数に変更するかということです. TSND1…

【Rで高速フーリエ変換】素直な離散フーリエ変換とFFTの処理時間の比較

今回は,Rで素直な離散フーリエ変換 (discrete Fourier transform: DFT)とCooley-Tukey型高速フーリエ変換 (fast Fourier Transform: FFT)の処理時間を比較してみました. 素直な離散フーリエ変換 Cooley-Tukey型FFT DFTとFFTのRスクリプト 処理時間の比較 …

【Rで高速フーリエ変換】N=16でCooley-Tukey型FFTを考えてみる

FFTを理解してもらいたい,というか,自分がわかりやすく説明できるようになりたいので,しつこくFFTの話をやっていきます.今回は,時系列の長さでやっていきます. 基本事項 回転因子W 離散フーリエ変換を周波数の偶数番と奇数番に分けると N=16でFFTの計…

【Rで高速フーリエ変換】バタフライダイアグラムを読む

私は肉まんの白い部分が好きです.ほのかに甘い,あの白い部分だけ食べたいです. ということで,今回は最近のFFTのお話 chaos-kiyono.hatenablog.com の続きです. FFTの説明で,バタフライ演算ってのが登場します.バタフライ演算は下の図のようなバタフラ…

【Rで高速フーリエ変換】2のべき乗の長さの時系列用FFTの実装についての解説

前回,2のべき乗の長さの時系列を,高速に離散フーリエ変換 (FFT)できるアルゴリズムのRスクリプトを作りました (高速じゃないけど). chaos-kiyono.hatenablog.com このFFTアルゴリズムは,Cooley-Tukey型と呼ばれるそうです (知らんけど).今回はこのアル…

【Rで高速フーリエ変換】Rのfftは任意の長さで大丈夫だけど,学習用に基数2のFFTを自作

Rとか,Pythonとかを使って,誰でも簡単に高速フーリエ変換 (fast Fourier transform, FFT)を使える時代になりました.最近コロナで,人と会わなくなって,久しぶりに遠隔会議であった方々が老けたなーと感じることが多くなりました.同様に私も年寄りになっ…

【Rの処理時間】計算時間短縮のための工夫 ― meanよりもsumが速い ―

プログラムを作って何か処理するとき,処理時間が短い方が良いに決まってます.ということで,今回はRの処理時間についてのお話です. 処理時間を無駄に長くしないための一般論として,私が説明できることは,「forループは使わずにベクトルのまま計算した方…