ケィオスの時系列解析メモランダム

時系列解析,生体情報学,数学・物理などの解説です.

【Rでレーダーチャート】fmsbパッケージの利用

最近,レーダーチャートを描画する必要が生じたので,Rでレーダーチャートを描く方法を調べてみました.今回は,fmsbパッケージを使ってレーダーチャートを描くためのメモです.これまで,fmsbパッケージを使ったことがない場合は,まず,このパッケージをイ…

単位ステップ関数の微分 ― 直感的理解 ―

単位ステップ関数の微分について考えてみます.公式的に、 が成り立ちます.ここで, は,単位インパルス関数です.今回は,何でこうなるの?というのを直感的に考えていきます.今回は,どちらかといえば,線形システムの応答を考えるためのお話です. 単位…

METs (メッツ)の周辺 ー 安静時代謝率と代謝等量 ー

健康を維持・増進するために,運動習慣は良い効果があるということがいろいろな研究で示されてきました.どのくらい運動したのかを知るために,運動の強度やエネルギー消費量を測る必要があります.運動の強さと量を表す単位として,METS (メッツ)というのが…

【インパルス応答】t = 0に閉じ込められた物語(その2)

前の記事(以下のリンク)に続き,デルタ関数,あるいは,単位インパルス関数と呼ばれるを使った線形システムのインパルス応答を考えてみます. chaos-kiyono.hatenablog.com 今回は,を,以下で定義する について としたもので定義します. の定義.簡単な…

【インパルス応答】t = 0 に閉じ込められた物語

前の記事(以下のリンク)で,デルタ関数,あるいは,単位インパルス関数がどこに立っているのかにこだわりました.今回は,線形システムのインパルス応答を考えて,私がなぜインパルスが立っている位置(時刻)にこだわるのかを説明します. chaos-kiyono.h…

デルタ関数,単位インパルス関数は,どこに立っている?

ディラック (Dirac)のデルタ関数や,単位インパルス関数(単に,インパルス関数と呼ぶことも)は,分野によって立っている位置が違うので,一つの定義にこだわっていると,計算結果に納得できないことがあります.「デルタ関数と単位インパルス関数は同じモ…

【Rで最小2乗フィット】QR分解 (Householder変換)を使った最小2乗法

北川先生の本「Rによる 時系列モデリング入門」で,Householder変換を使った最小2乗フィットの話が登場したので,Rでやってみます. 逆行列を使った最小2乗法 QR分解 (Householder変換)を使った最小2乗法 まとめ 【付録】3変数の場合 ここでは,以下の式を使…

ロジスティック写像のカオス

今回は,決定論的カオス (deterministic chaos)の説明用の動画を作りました.決定論的カオス (以下では,カオス)というのは,時間発展を決定論的に決めるルールがあるのに,未来が予測できなくなる現象のことです. カオスとは 周期倍分岐 無相関と独立性の…

【Rで非整数ブラウン運動】拡大アニメの作成

非整数ブラウン運動の説明用のアニメを作ってみました. ブラウン運動 (H = 0.5)のサンプルパスの拡大非整数ブラウン運動 (H = 0.8)のサンプルパス非整数ブラウン運動 (H = 0.3)のサンプルパス高解像度な,Youtube版は以下です. www.youtube.com www.youtub…

【長時間相関解析】DFAでホワイトノイズを分析するとどうなるか(つづき):数値実験

Detrended Fluctuation Analysis (DFA)で,ホワイトノイズを解析したらどうなるか,数値実験で確かめてみます.理論的な結果は,前の記事を参照してください. chaos-kiyono.hatenablog.com 数値時系列の生成 1次DFA 2次DFA 数値時系列の生成 Rでホワイトノ…

【長時間相関解析】DFAでホワイトノイズを分析するとどうなるか

Detrended Fluctuation Analysis (DFA)で,無相関な信号,つまり,ホワイトノイズを解析したらどうなるかのお話です.DFAに詳しい人の多くは,そんなのスケールをとして,ゆらぎ関数 (fluctuation function)は, だろというかもしれません.が大きい,漸近的…

【確率変数】変数変換したら確率密度関数はどうなるか

確率変数を変数変換する話です. 変数変換した後の確率密度関数 線形変換の例 指数変換の例 変数変換した後の確率密度関数 ここでは,確率変数が,確率密度関数 に従うとします.このとき,単調関数 (単調増加か,単調減少する関数) を使って,確率変数 が …

【データ解析】相関係数を式で考えてみる

相関係数の話の続きです. chaos-kiyono.hatenablog.com 今回は確率変数を使って考えてみます. の係数,と,との散布図の関係. 相関って線形な関係 相関する確率変数の生成 Rで互いに相関する正規乱数の生成 相関って線形な関係 平均0,分散の確率変数と,…

【データ解析】相関係数の直感的理解

相関係数の話の続きです.chaos-kiyono.hatenablog.com 今回は,相関係数が正になったり,負になったりすることを直感的に理解することが目的です. 相関係数と散布図の関係.100点の場合. 相関係数の推定量 対応する2変量の実現値が点あったとき,相関係数…

【時系列解析】相関係数

今回は,相関係数のお話です.相関というのは2つの変量間の直線的な関係性の程度を表しています.直線性とは,2つの変量の値を縦軸と横軸にとった散布図に現れる構造です.この構造のイメージを持ってほしいので,いくつか図を作りました.今日は眠いので,…

【Rで時系列解析】計測時刻のずれを推定して修正

複数のデバイスで同時計測をしたとき,計測時刻のズレが発生することがあります.今回は,そのズレを相互相関を使って修正する方法について説明します. 下の図では,左上のグラフのように,赤のと青のの時系列がズレています.本当は赤と青の線がほぼ重なる…

【Rで呼吸代謝分析】ミナト医科学AE-100iデータの読み込み

今回は,ミナト医科学のAE-100iで計測されたデータファイルの読み込みについてです.医療関係者と研究者しか使わない計測器だと思いますが,この計測器を使わない人はデータファイルを読むときの参考にしてください. 計測開始時刻を抽出 AE-100iで計測され…

【フーリエ変換】フーリエ級数からフーリエ変換へ

今回はフーリエ変換の話です.ここでは横軸をではなく,にします.理由は,時間とともに変化する信号を考えたいからです. 複素フーリエ級数 フーリエ変換 複素フーリエ級数 周期の周期関数 のフーリエ級数展開は, です.ここで,係数のは, で与えられます…

【フーリエ級数】周期関数をsinとcosの和で表す

我が家にも,ついに5G (第5世代移動通信システム)の波が来ました.我が家は「おうちWi-Fi SoftBank Air」を使っています.今週,この端末のランプが「5G」の受信を教えてくれました.ということで,原稿を依頼されている「フーリエ解析」の図の準備をかねて…

【受動歩行の物理】リムレスホイール

Rでリムレスホイールの動画を作ったので載せておきます.これは,解析解をグラフィックとして描いただけで,数値解は計算していません. 受動歩行を知るためにMcGeerが登場するYoutubeの動画を見てみてください. www.youtube.com リムレスホイールは,McGee…

【受動歩行の物理の基礎】角運動量の保存

受動歩行を単純化したモデルとしてリムレスホイールがあります. 受動歩行のモデルであるリムレスホイール今回は,リムレスホイールの運動を理解するために,ポイントとなる角運動量について解説します. ポイントは,以下の3つです. 角運動量ベクトルの大…

【Rで確率モデル】疑似乱数の生成

昨日,名古屋に出張しました.新幹線は,コロナ前と比べればまだ空いていますが,海外の旅行者も戻ってきて,席が埋まってきたように感じます.ということで,今回は,Rで乱数を生成するコマンドの整理です.疑似乱数を使って下の図のような,中心極限定理の…

【Rで確率モデル】確率密度関数と確率分布関数

世の中には正規分布とか,指数分布とか,ワイブル分布とかいろいろな分布に従う現象があります.確率的な現象が従う分布の関数形を特定すると,背後にある生成メカニズムを考えるヒントになるので,分布のことを理解しておくと役に立ちます.今回は,Rで確率…

【Rで加速度解析】ATR-Promotionsの小型無線多機能センサ TSND151データの読み込み

今回はATR-Promotionsが販売している小型無線多機能センサTSND151 小型無線多機能センサ「TSND121/151」 |ATR-Promotions のデータファイルを,Rで読み込むときのお話です.ポイントは,計測時刻をどうやってRの時刻変数に変更するかということです. TSND1…

【Rで高速フーリエ変換】素直な離散フーリエ変換とFFTの処理時間の比較

今回は,Rで素直な離散フーリエ変換 (discrete Fourier transform: DFT)とCooley-Tukey型高速フーリエ変換 (fast Fourier Transform: FFT)の処理時間を比較してみました. 素直な離散フーリエ変換 Cooley-Tukey型FFT DFTとFFTのRスクリプト 処理時間の比較 …

【Rで高速フーリエ変換】N=16でCooley-Tukey型FFTを考えてみる

FFTを理解してもらいたい,というか,自分がわかりやすく説明できるようになりたいので,しつこくFFTの話をやっていきます.今回は,時系列の長さでやっていきます. 基本事項 回転因子W 離散フーリエ変換を周波数の偶数番と奇数番に分けると N=16でFFTの計…

【Rで高速フーリエ変換】バタフライダイアグラムを読む

私は肉まんの白い部分が好きです.ほのかに甘い,あの白い部分だけ食べたいです. ということで,今回は最近のFFTのお話 chaos-kiyono.hatenablog.com の続きです. FFTの説明で,バタフライ演算ってのが登場します.バタフライ演算は下の図のようなバタフラ…

【Rで高速フーリエ変換】2のべき乗の長さの時系列用FFTの実装についての解説

前回,2のべき乗の長さの時系列を,高速に離散フーリエ変換 (FFT)できるアルゴリズムのRスクリプトを作りました (高速じゃないけど). chaos-kiyono.hatenablog.com このFFTアルゴリズムは,Cooley-Tukey型と呼ばれるそうです (知らんけど).今回はこのアル…

【Rで高速フーリエ変換】Rのfftは任意の長さで大丈夫だけど,学習用に基数2のFFTを自作

Rとか,Pythonとかを使って,誰でも簡単に高速フーリエ変換 (fast Fourier transform, FFT)を使える時代になりました.最近コロナで,人と会わなくなって,久しぶりに遠隔会議であった方々が老けたなーと感じることが多くなりました.同様に私も年寄りになっ…

【Rの処理時間】計算時間短縮のための工夫 ― meanよりもsumが速い ―

プログラムを作って何か処理するとき,処理時間が短い方が良いに決まってます.ということで,今回はRの処理時間についてのお話です. 処理時間を無駄に長くしないための一般論として,私が説明できることは,「forループは使わずにベクトルのまま計算した方…