パワースペクトル
画像のような2次元データの信号解析についても,基礎の理解していきたいと思います.ということで今回は,平面波の2次元パワースペクトルの計算結果の見方について説明します. 2次元パワースペクトル 2次元フーリエ変換とパワースペクトルの定義につい…
自己回帰過程 (autoregressive process) AR() の自己共分散母関数を使って,自己共分散とパワースペクトルを計算してみます.ここで, は,平均0,分散 の白色ノイズです. は整数の値をとります. 今回は,公式的に結果を書いていくだけにします. 自己共分…
移動平均過程 MA() の自己共分散母関数を使って,自己共分散とパワースペクトルを計算してみます.ここで, は,平均0,分散 の白色ノイズです. は整数の値をとります. 今回は,公式的に結果を書いていくだけにします. 自己共分散母関数 ラグオペレータ (…
時系列解析の教科書として有名なHamiltonの本 "Time series analysis (Princeton university press)"の3.6節に登場する「自己共分散母関数 (Autocovariance-Generating Function)」についての補足説明です.自己共分散母関数は,母関数と名前がついているか…
時系列解析で,長時間相関といえば長時間自己相関を意味することがほとんどです.つまり,1本の時系列の性質を考えています. 長時間自己相関 (左から,1本の時系列,散布図,パワースペクトル) ここでは,1本ではなく,2本の時系列が共通に持つ特性とし…
FFTを理解してもらいたい,というか,自分がわかりやすく説明できるようになりたいので,しつこくFFTの話をやっていきます.今回は,時系列の長さでやっていきます. 基本事項 回転因子W 離散フーリエ変換を周波数の偶数番と奇数番に分けると N=16でFFTの計…
Rとか,Pythonとかを使って,誰でも簡単に高速フーリエ変換 (fast Fourier transform, FFT)を使える時代になりました.最近コロナで,人と会わなくなって,久しぶりに遠隔会議であった方々が老けたなーと感じることが多くなりました.同様に私も年寄りになっ…
長時間相関を示すARFIMA(0, d, 0)を無限次の自己回帰過程 (AR過程: autoregressive process)として近似した形のメモです.これを考えるねらいは,長時間相互相関過程のGranger因果性を調べる方法を検討したいからです.既に,論文があれば教えてください.長…
グレンジャー因果 (Granger causality)の評価についてのGewekeのアプローチを理解するために,2変量時系列でその方法をまとめます.2よりも多い変量だと私には難しいので,まず,2変量で考えます.これは,自分の理解を深めるためのメモです.Gewekeの論…
Rで時系列のパワースペクトルを推定したいとき,もっともお気楽なのは,"spectrum"というコマンドを使うことだと思います.今回は,心拍変動 (RR間隔時系列)のスペクトル解析で"spectrum"コマンドを使った実例を紹介します.ちなみに,例として使用したRR間…
Rのコマンド"spectrum"のオプション"spans"の設定で,パワースペクトルの推定結果がどうなるかのデモです."spans"が何かは,前回の記事を参考にしてください. chaos-kiyono.hatenablog.com 時系列の生成については,以下の記事を参考にしてください. chao…
今回は,離散フーリエ変換でえられるギザギザなパワースペクトルを,滑らかにする「平滑化」についてです.いろいろ書きたいことはありますが,まずは,Rでお世話になることが多い"spectrum"というコマンドのオプション"spans"について説明します.今回の説…
今回は,中点変位法 (midpoint displacement algorithm)で,1/fノイズ (ピンクノイズ)のサンプル時系列を生成します.元々,中点変位法は,非整数ブラウン運動のサンプルパス (サンプル時系列)を作る方法ですが,非整数ブラウン運動をわずかにはみ出た領域を…
前に,階積分 (和分)過程のパワースペクトルの記事を書いたときに導いた結果,分散の白色ノイズの階差分過程の時系列のパワースペクトルは, 階積分 (和分)過程の時系列のパワースペクトルは, について,数値実験で確認していなかったので,やっておきます…
今回はパワースペクトルが,を定数として, の形になる,差分方程式で記述される確率過程を考えます.前の記事 chaos-kiyono.hatenablog.com で,m階積分 (和分)過程のパワースペクトル(もどき)を計算しました.つまり, 分散の白色ノイズの階積分 (和分)…
パワースペクトルを推定する数値実験を,少しずつやっていきたいと思います. 平均化処理ってやったほうがいいかも,というのが今回の感想です. Rでパワースペクトルを推定するとき,"spectrum"というコマンドを使えばいいんでしょ,と考えている人も多いと…
本日のセミナーの課題を,私なりこなしました.パワースペクトルを推定するときは,時系列をまるごと1本としてパワースペクトルを計算するよりも,時系列を部分区間に分割して,複数のパワースペクトルの平均をとった方が,パワースペクトル推定のばらつきが…
時系列の長期記憶 (long memory),長時間相関 (long-range correlation),フラクタル性 (fractality)について整理しておきます. 長期記憶過程 (long memory process) 長期記憶過程は自己共分散関数が, となる確率過程です.何で全部足すの?という疑問がわ…
今回は,一般に次自己回帰過程 のパラメタと,の分散 (平均は0とします)がわかったときに,そのパワースペクトルを導きます.というか,パワースペクトルをとりあえず式で書きます. 今回は,パワースペクトルのパラメトリック推定を理解するための準備にな…
今回も,ランダムウォーク解析についてです.ランダムウォーク解析 (fluctuation analysisと呼ばれることも)は,Natureに出版された論文でも使われています (以下のリンク). www.nature.com とはいえ,ランダムウォーク解析は,今では実用的な時系列解析法…
今回は,ランダムウォーク解析の導入です.detrended fluctuation analysis (DFA)とか,detrending moving average analysis (DMA)とかを使ってる研究者の方が,そこそこいると思います.ランダムウォーク解析は,DFA,DMAの原型となる,素朴な方法です.ラ…
今回から,本格的に2次自己回帰過程のパワースペクトルに入ります.自己回帰過程の理解において,最も重要なポイントの一つは「n次自己回帰過程のパワースペクトルは,1次自己回帰過程と2次自己回帰過程のパワースペクトルの和になっている」ということです…
自己回帰過程のパワースペクトルを求めるテクニックの説明です.自己回帰過程の係数が与えられた状況から,パワースペクトルの式を導くことはとても簡単です.でも,大切なことは理屈を感じることです. 必要な基本知識 長さNの時系列のフーリエ変換とその逆…
弱定常が仮定できる場合のパワースペクトルの定義について,まとめておきます.これまでの私の記事では,時系列のフーリエ変換から計算するものと,時系列の自己共分散関数(自己相関関数)から計算するものを,私のかってな都合にあわせて使い分けていまし…
私の研究室の学生は,私があまりにしつこく1次自己回帰過程の話をするのでうんざりしているかもしれません.さらに,しつこくやっていきます.1次自己回帰過程 (,は平均0,分散の白色ノイズ)のパワースペクトルは, です.今回は,このパワースペクトルのグ…
本日のセミナーの課題は,2次自己回帰過程 ]のサンプル時系列から自己共分散関数とパワースペクトルを推定することです.]は,平均0,分散の白色ノイズです.とりあえず,,でやってみて,他のパラメタでも調べてみてください.これまでの知識を使えば簡単…
時系列解析で私が大切にしていることは,「自分の目で時系列を見る」ことです.数値列ではなく,グラフにして見ます.とはいえ,ただ,時系列全体をグラフに描けば良いのではなく,「時間スケールを変えて時系列を見る」ことが必要です.ここで,「スケール…
今回は,サンプリング間隔が1ではなく,のときのパワースペクトルについての説明です.スペクトル解析や時系列解析についての教科書では,サンプリング間隔が1の場合のみ扱っているものが多いので,迷うことがあると思います.サンプリング間隔の長さの時系…
パワースペクトル解析,長時間相関解析などについて,私の古い解説動画のリンクをまとめておきます.興味があれば見てみてください.中途半端なところで解説動画が止まっているので,このブログで文章での説明がある程度まとまれば,新しく解説動画を作って…
今回は,周波数がの領域で1/fゆらぎ(ピンクノイズ)の特性を持つサンプル時系列の生成をやります.詳しい説明はしませんが,1/fゆらぎの生成メカニズムとして,自己共分散関数が指数関数的な減衰を示すサブシステムの和を考えるものが提案されています(下…