ここでは,公式として,2つの確率変数との和,積,分散の性質をまとめおきます.証明は,たくさんの方が与えてくれているのでそれを参照してください.以下の関係は,今後,ランダムウォークの軌道の性質を議論するために使います.
期待値の表現
数学系の方々は,確率変数の期待値を
,,
と表すことが多い気がします.ではなく,特別なフォント (TeXで\mathbb{E})を使うこともあります.
物理系の私は,確率変数の期待値を,ブラケットを使って
とします.物理の偉大な先輩たちがこの表現を使ってきたので,私も論文を書くときはこの表現を使います.以下でもブラケットで期待値を表します.
期待値の定義
離散確率変数の確率質量関数を
とすれば,の期待値は
です.の関数の期待値は
です.
連続確率変数の確率密度関数を
とすれば,の期待値は
です.の関数の期待値は
です.大文字と小文字の使い分けをマスターしてください.
2つの確率変数の和の期待値
確率変数の和の期待値は,条件なしに,
です.どんなときも,足し算,引き算は,分けることができます.
つまり,線形なので,,を定数として,
です.
2つの確率変数の積の期待値
確率変数の積の期待値は,互いに独立なときのみ,
です.
2つの確率変数の分散
確率変数の分散を,
とします.
確率変数の和の分散は,互いに独立なときのみ,
です.,を定数として,
です.
参考になるページ
証明は面倒なのでしません.以下のホームページがとても参考になるお思います.