自己共分散(自己相関)とパワースペクトルの関係についての話です.何言っているかわからない人は,下にまとめた関連記事を先に見てみてください.
ちょっと前に,パワースペクトルは,自己共分散(自己相関)のフーリエ変換だ,という話をしました.ということは,フーリエ変換とその逆変換(逆フーリエ変換)の1対1の熱い友情関係から,
であれば,
みたいな関係が成り立つような気がします.その感覚はもっておいてほしいですが,この式はちょっと間違っています.
離散時系列の場合は,ナイキスト周波数というのがあって,周波数が
に制限されているので,時系列の長さが偶数のときは,
とした方がよさそうです (今回はやりませんが,正しいか自分で導いてみてください).
多くの文献には,の周期性を使い,時系列の長さが奇数でも,偶数でも大丈夫な書き方,
が載っています (いや,載ってません).ひとつ前の表現
で,
と考えられるので, (])に注意して,としてみます.つまり,区分求積法で,
となります.この形が,載っている文献が多いと思います.片方が
で,もう片方が
となりバランスが悪いですが,を想定できる数学的な世界では,そうなってます.
本当は,パワースペクトルを自己共分散(自己相関)に結びつける,もう一つの表現を紹介したかったのですが,眠いので次回にします.最近は,学生の科学的探究心のなさに,残念な気持ちになります.科学の感動は,問題を解けるようになったとか,テストでいい点を取れたとかではないと思います.自然界には,数理的に美しい構造があるのだと気づいたときに,大きな感動があり,私の場合はその感動を求め続けているのだと思います.